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2015-09-26に投稿
日本に「シガーバー」は数あれど、「シガーラウンジ」は少ない。
葉巻との相性について、コーヒーだのチョコレートだの、はたまだブランデーだの中国茶だのと活発な論議がしばしば交わされるが、本来もっとも必要であり、相性がいいのは他ならぬ「コミュニケーション」である。
もちろんコミュニケーションの形態には独りで自分と向き合うものと、仲間と楽しむことのふたつのパターンがあるが、後者をエンジョイするための場所が少ない、と私は言っているのだ。
仲間との上質なコミュニケーションを葉巻とともに楽しむ上で重要なのは、座り心地の良いチェアに静かでセンスの良い音楽、信頼のおけるバーテンダー、上質な酒に相性を考えたつまみ、そして照明をギリギリまで落とした空間とインテリアの適切な配置と距離感であり、このなかのひとつでもピースが外れると心からの納得は得られないものである。
Ne Plus Ultraは、その意味で実に貴重な”シガーラウンジ”である。
会員制ではあるが、会員になることのメリットはあまりにも大きい。
東京23区を中心に活動しているシガー・ラヴァーであれば、会員にならない手はないだろう。
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2015-07-31に投稿
東急東横線都立大学駅。殆どの人は、ほぼ降り立たないマイナーなロケーションである。
マイナーな駅から、さらに住宅街の奥へと進むと、小洒落た店構えの喫茶店がある。
いや、喫茶店というかバーというべきか。ドアを引いて入店すると、イケメンなお兄さんが笑顔で招き入れてくれる。
「いらっしゃいませ。」
店内は、木を基調とした優しくも重厚な作りである。
そして、喫茶店なのに、カウンターのみの座席である。
アンティークなランプや真空管アンプ、年代物のレジスターが配置されている。
バックカウンターには、いかにも高級そうなカップ&ソーサーが並べられてある。
実にいい雰囲気だ。
ドリンクは、おしなべてみな美味しい。
特に、この店のイチオシ約60度というコーヒーを抽出するには一般的には低すぎる温度で淹れられる「デミタスコーヒー」だ。
低温なので雑味がなく、それでいて濃厚でフルーツの香りを感じられる。他の喫茶店では味わったことのない、エレガントな味わいである。
「水出しコーヒー」も爽やかだ。聴くところによると、抽出してから2週間程度寝かせるのだとか。
確かに、淹れたてのものに比べて香りに奥行きが出て、味にまとまりがある。
「歴史」や「伝統」を店の随所から感じるが、その実ドリンクへのアプローチは実にオリジナリティがあり斬新で、オーナーのセンスを感じる。
店内は全面的に喫煙可である。もちろん葉巻もOKだ。
葉巻を取り出すと、ごく自然に葉巻用の灰皿が供される。
いささか不釣り合いな派手なコイーバの灰皿は、常連が持ち込んだものらしい。
葉巻に着火して、数口味わい店内を見渡す。
時の流れが遅く感じる。
こういう、自分に没頭できる空間は、いわゆる「バー」というくくりの店でもあまりない。貴重だ。
コーヒーと葉巻が好きな方なら、気に入る店だろう。
と、いっても、私はここで葉巻を吸う際は「ロイヤルミルクティー」を頼むのだが。